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<PSYCHO BREAKER>


転送音の後に、青いブーツがグリット線の上に降り立つ音がした。
彼の瞳に映る赤い背中は、いつもと同じく仕事中のようだ。
ブルースは、彼が来たとしても手を休めず、振り返りもしなかった。

「こんばんは~.ブルース!遊びに来たよ」

それを故意と知ってか知らずか、ロックマンは仕事中のブルースの隣にちょこんとしゃがむ。

「………….」

遊びに来た、と言われても。

「…………ブルースってば!あ・そ・び・に・来たよ」
「…オレは仕事中だ.」

見れば分かるだろう、と溜息混じりに言う。

「もうすぐ終わるんじゃないの?」

むしろ今すぐ終わらせて、という期待が良く分かる。

「……確かに、あと少しで終わるが…」

ロックマンはぱっと顔を輝かせた。

「んじゃあ.終わるまで待ってるねっ」

ブルースは今度こそ深く溜息をついた。
仕事が進まない、と怒られるのは嫌なので離れていく。
そんな青い背中を見て、頭を押さえた。
仕事が全く進まない。
ロックマンが来ると集中力が途切れる自分を、どうにかカスタマイズしたいものだ。
まあ、仕事を中止させるために彼は来ているのだが…。
最近忙しくあまり構ってやれなかったのもあって、今日ばかりは逆らえそうにない。
ブルースはまた深く深く溜息をつくと、ファイルをしまった。
立ち上がると、ロックマンがすぐにこちらを向くのが分かった。

「…….」

それを横目で見て、外にいる主人に呼びかける。

「炎山様.明日の朝まで休みを戴けますか?」

炎山は全て分かっているようで、すぐに頷いた。
数分とたたないうちに自分もそうなるだろうと、分かっているのだろう…。
主人よりはナビの方が、忍耐力に欠けていたようだ。

『ご苦労だったな、ブルース。ゆっくり休め』
「はい.ありがとうございます.」

フッと、PETの電源が落とされる。
すぐさまロックマンが近寄ってきた。

「どうしたの!今日はやけにすんなりと行くね.」

誰のせいだ、と突っ込みたくなるのはバカらしいので押さえて。
餌をねだってすりよってくる猫のように、なつっこい体を強く抱き締めて、腰を下ろす。

「ぶ.ぶるーす?」

急な行動にうろたえる相手は気にせず、そのまま自分のメットを外して押し倒す。
黙っていれば最高の抱き枕の胸に、顔を埋めた。

「ブルースってば…!どうしたの?」

一方的に抱かれたままというのも嫌なので、とりあえず行き場のない手で髪を撫でてみる。
手入れなどしなさそうな性格の、銀色の長い髪は自分より艶があって、少しむかついた。
少々困惑した声に少し笑いながら、簡単に説明をしておく。

「オレは今日まで徹夜だったんだ….二日間ずっと文字とにらめっこしてたオレの身にもなってみろ.」

本当は明日まで続けなければいけなかったのだが、予定外の邪魔が入って中断。
誰かさんの所為で集中力が途切れた電脳は、いくらブルースでももう限界。
集中力が持てばなんとか行けるはずだったのだが、仕事精神は脆くも破壊された。

「“遊びに来た”オマエには悪いが…少し寝かせてくれ.」

起きたら遊んでやる、と言う前にスリープモードに入ってしまった。
ロックマンは小さく息を吐いて、自分より一回り大きなその体を抱き締め直した。
二人きりの空間、薄暗い赤いPETの中。
赤いナビが抱き締めて離さない彼は、彼だけの小さなPSYCHO BREAKER。
仕事中でも構わずじゃれ愛に来るし、数日会いに行かなければウワキ者とあらぬ称号を付けられて遊ばれる。
そんな彼がいつのまにかブルースを変えていった。
彼の笑顔は仕事の疲れを癒していたし、彼はブルースを拒む事はなかった。

恋に堕ちた先は、地獄か天国か…誰も知らない。









2005/11




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EXE Fanfiction / Blues.EXE Rockman.EXE

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